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ギヤオイルとは|グレード・交換時期・オイルの違い解説

駆動系

ミッションオイルやデフオイルをまとめてギヤオイルと総称します。用いられる箇所は違えど、オイル自体はほとんど似たようなものです。この記事ではギヤオイルについて解説をしています。

ギヤオイルとは

ギヤオイルとは「ミッションオイル」や「デフオイル」を総称して呼ばれる名称になっています。

ですがギヤの特性が異なるため、使用されるオイルにも若干差が出ることもあります。構造的に複雑で負荷がかかりやすいデフオイルには硬いオイル、ミッションはデフよりも若干やわらかめといった区分をされるときもあります。

API規格ではGL-4やGL-5と分類分けされてはいるのですが、明確にどちらがデフオイルに用いるのか、ミッションオイルに用いるのかというのは特に規定はありません。そのためギヤオイルを選ぶ際に迷われる方も多いと思いますので、そのあたりも含めて解説をしていきます。

ミッションオイル

マニュアルトランスミッションに用いられるオイルとなります。ATやCVTとは全く異なるオイルになるため、この点は留意しておいてください。

マニュアルトランスミッションには「平歯車」や「はすば歯車」と呼ばれる並行軸のギヤが使用されています。

平行に複数のギヤが噛み合っているため、両方のギヤの間には適切な油膜が保たれていないと摩擦による摩耗など、ギヤの劣化・破損につながるため高粘度のオイルが必要とされています。

デフオイル

デファレンシャルギヤに用いられるオイルです。規格ではマニュアルトランスミッションと同じAPI規格が用いられています。

「ハイポイドギヤ」と呼ばれる、食い違い軸のギヤを使用しています。平行に嚙み合っておらず、MTの平行ギヤよりも噛み合いによる負荷が非常にシビアなのが特徴です。

そのため、ミッションに用いるオイルよりもより高粘度で極圧剤が多く含まれたオイルの使用が好まれます。

エンジンオイルとの違い

一番身近なエンジンオイルとの違いは粘度の高さにあります。0W~30Wの粘土がエンジンオイルに対してギヤオイルは70W~120など倍以上も粘度に差があります。

エンジンオイルの役割は、エンジン内を循環することによる洗浄や冷却、潤滑などです。エンジン内部の金属同士の接触自体、そこまで高圧ではないため、各金属間の滑り良くるために比較的薄い油膜で覆われていれば問題はありません。

対してギヤオイルの場合はギヤ同士が噛み合い、接触部分の圧力が高いため極圧添加剤を配合することで油膜の低下を抑えてより高圧な摩擦、摩耗にも耐えることができます。ギヤオイル独特のツンとした匂い、硫黄系を中心とした極圧添加剤の影響です。

ギヤオイル選びに重視する点

ミッションオイルの交換か、デフオイルの交換かでどの規格のオイルを選ぶかが決まってきます。

ミッションオイルGL-4 または GL-5
デフオイルGL-5

上記のようにGL-4以上のものがギヤオイルを選ぶうえで大事な点です。メーカーが指定するオイルを選ぶのが一番無難で楽なのですが、自分でこだわってオイルを選びたいという方も多いと思います。

その場合は上記の規格を基準とし、メーカーが指定している純正粘度を選ぶとよいでしょう。

ギヤオイルに用いられる規格

エンジンオイルと同様に、ギヤオイルにもAPIが定めた規格が存在します。

規格については別の記事で解説をしているのでより詳しく知りたい方はこちらも参考にしてください。

関連記事:エンジンオイルのグレード(規格)とは|SPやSNの意味を解説

◆ギヤオイルのAPI規格

API分類使用推奨条件
GL-1低速、低負荷のMTおよびデフ
GL-2GL-1よりも高性能
GL-3GL-3推奨車。
GL-4高速低トルク、低速高トルク。
GL-5。高速低トルク、低速高トルク、高速衝撃荷重
GL-6フォード独自の規格

GL-1~GL-2に関しては自動車への使用は原則不可。自動車のギヤオイルに用いられるのがGL-3以降になります。

今でこそ台数は減ってきましたがGL-3はまだ使われています。メジャーなのが90WといったGL-5のギヤオイルをマニュアルトランスミッションとデフに使用するケースがあります。

国産車であれば粘度の共用範囲も比較的広いため、このように併用して使用することも可能です。

とはいえ、車種や年式によっては異音や異常摩耗の原因にもなるので、自分で変える際は自己責任。お店に頼む場合はお店が推奨しているオイルを入れれば安心です。

ギヤオイルの交換時期

ミッション走行距離20,000km または 2年
デフ走行距離50,000km または 2年

エンジンオイル同様、オイルの劣化により性能面では下がっている部分はあります。理想としては両方とも車検毎での交換が望ましいです。とはいえ、車検毎に変えている方も少ないと思います。ギヤの入りが悪くなったり、ミッション、デフなどから異音がしたら交換してみましょう。

この記事を書いた人

こんにちは!メカラブ編集部です!現役整備士として現場で整備に携わっていて、そこで培った経験や実際のお客さんとのやり取りなどを通して、記事に落とし込んでいます。現場目線のリアルな生きた情報を届けることをモットーに記事を書いているので、自動車大好きな方はぜひご参考にしてください!

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