自動車のトラブルで最も多いとされている「バッテリ―上がり」。
この記事では急なトラブルであるバッテリー上がりへの対処方法とバッテリー上がりを自分で対処する場合の手順を解説しています。
バッテリーが上がった時の4つ対処法
バッテリーが上がった時の対処法として「プロにお願いする」か「自分で対処する」かの、大きく2つに分類されます。
プロにお願いする | 自分で対処する |
---|---|
ロードサービスを呼ぶ | ブースターケーブルで充電 |
近くの整備工場に連絡 | カーバッテリ―用充電器を使う |
この項目では、各対処法について詳しく解説をしていきます。
ロードサービスを呼ぶ
ロードサービスは、バッテリー上がりなどの救援も可能となっています。JAFなどに加入をしていて、自身で対応は難しい場合は、ロードサービスに依頼をする方は最も手っ取り早いです。
また、バッテリー上がりの症状が出たとしても、そもそもの原因がバッテリー上がりではないケースもあり得ます。
その場合、かかりつけの整備工場ないし、ロードサービスと提携している整備工場へ、車両を運んでくれて、そのまま修理もお願いできるのでその後の対応も非常に楽になります。
近くの整備工場に連絡する
掛かりつけの整備工場がすでにあるのなら、そちらの工場に連絡をしてしまいましょう。民間工場であれば、連絡すればすぐに来てくれるところが多いでしょう。
普段、ディーラーに入れている人であれば、即対応はあまり期待できないので、近場で営業している工場をネットなどで探すのが手っ取り早いです。
応急処置程度あれば、すぐに対応してくれて、比較的安価で済むことがほとんどでしょう。そのまま、その工場にお世話になってもいいと思います。
ブースターケーブルで充電する
自身でバッテリー上がりを解決したいと思っており、ご自宅または、近所で車両を少し貸してくれるようなところがあれば、ホームセンターなどでブースターケーブルという商品を購入してくるのが良いです。
ブースターケーブルを使うことで、車両同士を繋げて、バッテリーが上がった車両に電力を供給させて、一時的にバッテリー上がりを解消することができます。
詳しいブースターケーブルの使い方などは、後述いたします。
カーバッテリー用の充電器を使用する
車輛をもう1台用意するのが難しい場合には、カーバッテリー用の充電器もありますので、そちらで充電をすることもできます。
こちらもホームセンターなどで売っているので、簡単に入手することができます。使用方法も、商品の説明書に載っているので、初めての方でも安心して利用することができます。
安価に済ませたい方は、こちらの方法がおすすめです。
【応急処置】ブースターケーブルを使った充電の方法
先述したブースターケーブルでの充電方法について解説をしていきます。
ロードサービスなどを使わず、安価に抑えられて、方法さえ知ってしまえば簡単に復旧ができるので、知っていてもいい知識だと思います。
しかし、電気を扱うため、予備知識無しでいきなり試してしまうと、思わぬ事故に繋がるため、注意が必要となります。
ブースターケーブルを繋げるときの基本は
繋げるときはプラスから
外すときはマイナスから
です!
1.ブースターケーブルを車両に繋げる(プラスからつけましょう)
- 故障車両のプラス端子に赤いケーブルを繋げる
- 救援車両のプラス端子に赤いケーブルを繋げる
- 救援車両のマイナス端子に黒いケーブルを繋げる
- 故障車両のマイナス端子に黒いケーブルを繋げる(車両の金属部でもOK)
電気の基本的な流れであるプラスからマイナスに流れるということを知っていれば、なんとなく理屈はわかるかと思います。
電気はマイナスを繋げると流れます。アースって言い方よく聞くと思います。アースさえとらなければ、電気は流れることはないので、接続するときは、マイナス側のケーブルはどこかに当たらないように注意してください。
また、いずれにせよ、ケーブルを付けるときに、若干スパークは飛ぶと思いますが、接続順さえ間違っていなければ、問題はないので、ビビりますけど安心してください。
2.数分後にエンジン始動
救援車両のエンジンは掛けっぱなしでお願いしますね。
無事、ケーブルを繋いだら、あとは5分ほど待ちましょう。故障者両側の電力が十分に溜まるまでは時間がかかります。
5分ほど待って、エンジンを掛けてみましょう。問題なくセルが回れば、復旧完了です。
3.ブースターケーブルを外す(マイナスから外しましょう)
無事にエンジンが掛かったら、そのまま掛けっぱなしにしておいてください。その後、繋げた時とは逆の手順でケーブルを外していきましょう。
- 故障車両のマイナス端子から黒いケーブルを外す
- 救援車両のマイナス端子から黒いケーブルを外す
- 救援車両のプラス端子から赤いケーブルを外す
- 故障車両のプラス端子から赤いケーブルを外す
不安な方は、とりあえず、故障車輛側のマイナスを外してしまいましょう。アースさえ切ってしまえば問題はありません。電気の流れさえ、絶ってしまえば、安全です。
4.しばらく車に乗りましょう
復旧したばかりの故障車両が30分でもいいので、近場を乗り回しましょう。
自動車のバッテリーは”オルタネーター”という電装部品で常に充電がされており、このオルタネーターは、エンジンの力を利用して発電をしています。
自動車が走ってさえいれば、バッテリーが充電状態になるので、これで少しでもバッテリーの電力を復活させます。
ですが、まだバッテリーが上がった根本原因にはたどり着けていません。ここまではあくまで応急処置と思ってください。
続いて、バッテリー上がりの原因について解説をしていきましょう。
バッテリー上がりの原因とは
バッテリー上がりを解消しても、バッテリーが上がった原因を解決しないと、再発することになります。
そのため、バッテリーが上がった原因を考えていかなければなりません。バッテリー本体の劣化であれば、交換で済むのですが、稀にオルタネーターの不具合でバッテリーが充電されないと言ったこともあります。
バッテリーの劣化・寿命
バッテリーの交換頻度は一般的に3~5年ほどと言われています。正直、5年以上、まったく問題なく使えるケースもありますので、あくまで目安です。
バッテリーの劣化を見抜くには、バッテリー本体を見るのが手っ取り早いです。バッテリーを直接目視して、バッテリーに白い粉などが付いていないかを確認してみましょう。白い粉はサルフェーションと言い、これはバッテリー液の塊です。
劣化したバッテリーはサルフェーションが吹きやすく、劣化のサインとして見られることが多いです。また、メンテナンスフリーバッテリーなどは、バッテリー残量などを目視で見れるサイトグラスを搭載している物もあるので、そちらもあるか確認してみると良いでしょう。
ライトの消し忘れ
結構ありがちなのが、室内灯や、日中のヘッドライトの消し忘れです。いずれも状況次第では、気が付かないケースが多いので、これが原因でバッテリーを上げてしまう人は、相当数います。
当たり前に、気を付けましょうとは言えますが、バッテリーは一度上げてしまうと、劣化が早まり、ちょっとしたきっかけで、バッテリー上がりを起こしやすくなってしまうため、ライトの消し忘れ等のうっかりは気を付けたいところです。
ちょっとした不注意が、痛い出費に繋がってしまいます。
半ドア
半ドアになると、室内灯が点灯して、それが原因でバッテリー上がりをするのは、先述と似た内容ですが、半ドアの原因が、ドアの間に挟んでしまったシートベルトや、ひざ掛けやマットなどをはさんでしまって半ドア状態になっていたというケースも多々あります。
特にバックドアの半ドアは意外と気が付きづらく、後ろから荷物を取った拍子に半ドアになっていて、次の日、乗るときにバッテリーが上がっていたということもあります。
オルタネータの故障
バッテリー上がりで最も痛いケースがオルタネーターの故障です。オルタネーターはエンジンを利用して電力を生み出している電装部品です。それにより、バッテリーは常に充電状態になっており、基本はバッテリーが無くなることがありません。
ですが、オルタネーターが故障してしまうと、バッテリーに充電されずに電力が空になってしまいます。そうなると、バッテリー上がりの症状が出てしまいます。
これは一般の方では判断が難しいです。音で分かることもありますが、基本的には整備士の方に任せてしまいましょう。
充電して、バッテリーも新品にしても、何度もバッテリー上がりを起こすようであれば、ほぼほぼオルタネーターの故障です。
運転する頻度が極端に少ない
バッテリーは使っていなくても、地味に放電をしています。半年以上乗っていない車であれば、乗っていないのが、そもそも原因です。
ただ、バッテリーは一度全部放電してしまうと、著しく劣化してしまいますので、充電させても、バッテリーが劣化しているため、再びバッテリー上がりを起こすことは十分にあります。
あまり乗る機会がないのであれば、理想としてはバッテリーのプラス端子を外しておいて極力放電量を減らすといった工夫も可能です。とはいえ難しいですね。
バッテリーが上がる前兆
劣化などでバッテリーの電力が弱っている場合には、ある程度前兆がわかります。
おおよそは、電気系統が弱々しくなるのが特徴です。
セルモーターの音が弱々しくなる
エンジンを掛ける際に「キュルキュル」など音が鳴ると思います。これはセルモーターという部品が、エンジンを回しているのですが、この時に使う電力は相当電力負荷が掛かっています。
エンジン始動前なので、バッテリーの電力だけで動かしているため、バッテリーの影響が最も出やすい瞬間です。
この時に、音が小さかったり、「キュル…キュル…」と動きが鈍ければ、バッテリーの劣化を疑うといいです。
また、別の原因としてセルモーター本体の不具合もあり得るので、いずれにせよ、予兆がでれば一度整備工場に出した方がいいでしょう。
電装系の挙動がおかしくなる
あとは電装系全般の挙動に不備が出始めます。ヘッドライトが暗かったり、オーディオが途切れ途切れになることもあり得ます。
こちらも、原因はバッテリー以外にもあり得ますが、電装系全般に出ていればバッテリーの劣化を疑ってもいいと思います。
バッテリー上がりに関するよくある質問
ここからはバッテリー上がりに関するよくある質問について回答をしていきます。
いずれも弊社お客様から、よく伺う内容になります。
寒さが原因でバッテリーが上がった
「バッテリーの劣化です。」
昨今のバッテリーは非常に高性能になってきており、寒冷地以外のところであれば、寒さが原因でバッテリーが上がるということは少なくなってきています。もちろん、朝一発目の始動時はややセルに元気がないこともありますが。
また、東北など寒冷地であれば、寒冷地仕様のバッテリーが標準搭載されているので、寒冷地にお住まいの方も、そこまで気にされなくて大丈夫です。
そもそも、寒くて不具合が出るようなバッテリーは、もう劣化しているものと思った方がいいです。新品のバッテリーに変えてしまえば、まったく問題ないです。
バッテリーの液量が不足している
「バッテリーの劣化です。」
バッテリー液は充電、放電を繰り返すと自然と減っていきます。なので、定期的にバッテリー精製水の補充を推奨されていますが、そこまで頻繁に補充するものでもないですし、応急処置または延命処置に近い部分があります。
おそらく、バッテリー液が減っているころには、バッテリーを交換してから3年~5年以上は平気で経っていると思います。そうなると、いくら補充をしても、バッテリー液の減りは激しくなっていると思います。バッテリーはバッテリー液が全てじゃないですしね。
バッテリーはこまめに充電すべき?
「常に充電されています。」
この記事でも散々、お伝えしていますが、バッテリーは走行中であればオルタネータ―によって常に充電されています。スマホとかと一緒ですが、毎日のようにオーディオ掛けてライト光らせて走っている車のバッテリーが、そんな一度の充電だけで、半年以上走るなんてあり得ません。
そんな長持ちする電池があれば、月の電気代ももっと安く抑えられることでしょう。
バッテリーをこまめに充電しないとダメなんだよぉって方はオルタネータがだいぶガタ来ているので、オルタの交換をした方がいいと思います。
バッテリー上がりの対処方法まとめ
バッテリー上がりは、自動車に乗っていれば、身近なトラブルの一つかと思います。充電事態も、やり方さえ、わかればそこまで難しいことでもないですし、道端でバッテリー上がっている人がいたら、助けられるようになるので、好きな人は知っておいてもいいでしょう。