車検では、車が検査時点で国の保安基準に適合しているかを、外観・ブレーキ・ヘッドライト・排気ガス・下回りなどから確認します。対象車には電子制御装置の異常を調べるOBD検査もあります。
車検の点検項目は「保安基準に適合しているか」の確認
車検(継続検査)では、自動車の安全性能と排気ガス低減性能が保安基準に適合しているかを確認します。検査場では、車両の同一性と外観を見たあと、検査機器を使って走行・制動・灯火・排気ガスなどを順番に調べます。
車検と法定24か月点検は目的が違う
車検と同時に行われることの多い法定24か月点検は、車の故障を予防し、安全な状態を保つための定期点検です。自家用乗用車・軽自動車では2年ごとに60項目を点検します。
| 比較項目 | 車検 | 法定24か月点検 |
|---|---|---|
| 目的 | 保安基準への適合確認 | 安全確保・故障予防 |
| 確認の考え方 | 検査時点の状態 | 部品の劣化や機能を点検 |
| 自家用乗用車の項目 | 車種・構造で異なる | 60項目 |
制度の全体像は車検の目的と法定点検との違いで詳しく解説しています。
車検の主な検査項目一覧

1. 同一性の確認・外観検査
車検証と実車が一致しているか、車台番号・原動機型式・車種・用途・車体形状などを確認します。続いて、車体、保安装置、タイヤなどの走行装置、座席やシートベルトなどの乗車装置、灯火類、原動機、電気装置、操縦装置を外観から確認します。
2. サイドスリップ・スピードメーター・ヘッドライト・ブレーキ
- サイドスリップ検査:かじ取り車輪の横すべり量を測定します。
- スピードメーター検査:実際の速度と速度計表示の誤差を確認します。
- ヘッドライト検査:照射光度と光の向きを測定します。
- ブレーキ検査:主ブレーキと駐車ブレーキの制動力を測定します。
3. 排気ガス検査
ガソリン車では、排気ガスに含まれる一酸化炭素(CO)と炭化水素(HC)の濃度を測定します。車種によっては黒煙検査など、別の確認項目があります。
4. 下回り検査
ピットから、かじ取り装置、緩衝装置、制動装置、原動機、動力伝達装置、車枠・車体、排気ガス発散防止装置、燃料装置、電気装置、走行装置などを確認します。ブーツの破れ、部品の緩み、著しい油漏れや損傷は事前整備が必要になる代表例です。
5. OBD検査・総合判定
対象車では、車載式故障診断装置(OBD)にスキャンツールを接続し、衝突被害軽減ブレーキなどの電子制御装置に検査対象の故障コードが記録されていないかを確認します。国産車は2021年10月1日以降、輸入車は2022年10月1日以降の新型車が主な対象です。
最後に書類審査と各工程の結果をまとめて総合判定します。詳しい検査工程は、国土交通省の検査項目と主な検査機器でも確認できます。
車検前に自分で確認できる点検項目

検査機器がなくても、次の項目は車検前に目視と作動確認ができます。異常がある場合は、車検当日ではなく事前に修理しておくと再検査を避けやすくなります。
フロントガラスと運転席・助手席側面ガラスのフィルム施工車は、ガラスの可視光線透過率も確認しておきましょう。
整備工場で事前確認したい項目
ブレーキの制動力、下回りの緩みや損傷、排気ガス、ヘッドライトの光軸・光度、OBDの故障コードは、検査機器やリフトがなければ正確に確認できません。ブレーキの効きに違和感がある、異音や振動がある、警告灯が点灯している、油や冷却水の跡がある場合は、車検前に認証整備工場へ相談してください。
車検で不合格になりやすい代表例
- ヘッドライトやブレーキランプなどの球切れ
- タイヤのスリップサイン露出、損傷、著しい偏摩耗
- ワイパーの拭き取り不良、ウォッシャー液が出ない
- ガラスのひび、前席ガラスの透過率不足
- ブーツの破れ、部品の緩み、著しい油漏れ
- ヘッドライトの光量不足・光軸ずれ
- 警告灯の点灯、対象車のOBD検査不適合
車検で整備が必要になった場合の支払いを整理したい方は、車検費用の内訳と相場も参考にしてください。
車検の点検項目に関するよくある質問
まとめ
車検では、同一性・外観、サイドスリップ、速度計、ヘッドライト、ブレーキ、排気ガス、下回り、対象車のOBDなどを確認します。灯火類・タイヤ・ワイパー・ガラス・警告灯は自分で事前確認できますが、ブレーキや下回り、排気ガス、光軸、OBDは整備工場での点検が確実です。




