車検・点検

車検の相見積もりは失礼?整備工場に嫌がられない頼み方と比較ポイント

車検の相見積もりは失礼ではないことを伝えるアイキャッチ

車検で複数の整備工場から相見積もりを取ることは、失礼ではありません。最初に「ほかのお店も含めて検討中です」と伝え、同じ点検・整備条件で比べ、依頼しないお店にも期限内に返事をすれば問題ありません。

むしろ注意したいのは、合計金額だけで決めることです。車検費用には、国などへ納める法定費用のほか、車検基本料、検査料、必要な整備、予防整備などが含まれます。この記事では、整備士の視点から、感じのよい頼み方・断り方と見積書の比較ポイントを解説します。

POINT
相見積もりそのものではなく、無断キャンセルや条件の違う見積もりを金額だけで比べることが、整備工場との行き違いにつながります。

車検の相見積もりは失礼ではない

整備工場も比較検討を前提に見積もりを出している

車検は、車両の状態や希望する整備範囲によって費用が変わります。1社だけでは、提示された整備が車検に通すために必要なのか、今後の故障を防ぐための予防整備なのか、判断しにくいこともあります。そのため、複数社で内容と費用を比べること自体は不自然ではありません。

ただし、見積もりが無料か、車を預ける必要があるか、どの程度点検するかは店舗によって異なります。予約時に「見積もりだけでも可能ですか」「費用と所要時間はどのくらいですか」と確認しましょう。

先に「他社も検討しています」と伝えれば誠実

比較中であることを隠す必要はありません。予約時に、次のように伝えれば十分です。

伝え方の例
「車検をお願いするお店を検討しています。ほかのお店からも見積もりを取る予定ですが、御社でも車を見ていただけますか」
失礼にならない車検相見積もりの5ステップ

整備工場が困る相見積もりの取り方

無断キャンセルや返事をしない

見積もりのためにリフトや作業スペース、担当者の時間を確保している場合があります。予定が変わったら早めに連絡し、依頼先を決めたら、ほかのお店にも「今回は別のお店にお願いすることにしました」と伝えましょう。

他社の金額を偽って値引きを迫る

実際には提示されていない価格を伝えたり、「他社より必ず安くして」と値引きだけを迫ったりするのは避けたい行動です。安い理由・高い理由を尋ね、作業範囲や使用部品の違いを確認してください。

点検範囲が違うのに合計金額だけで比べる

一方は「車検に通すための最低限」、もう一方は「次の車検まで安心して乗るための予防整備込み」ということがあります。この2つを合計金額だけで比べても、どちらが割高かは判断できません。交換部品、工賃、保証、代車、納期まで同じ条件にそろえましょう。

車検見積もりは5項目を同じ条件で比べる

国土交通省は、車検時の費用を、税・保険・検査手数料などの法定費用と、車両状態によって変わる点検・整備料金に分けて案内しています。比較するときは、次の5項目に分けると違いを把握しやすくなります。

車検見積書を法定費用など5項目に分けて比べる図解
車検見積書の比較チェック表
比較項目確認する内容A社B社
法定費用重量税・自賠責・検査手数料など確認確認
基本料点検料・検査料・代行料確認確認
必須整備車検に通すため必要な作業確認確認
予防整備今回は必須でない交換・整備確認確認
付帯条件保証・代車・納期・支払方法確認確認

車検の仕組みや費用区分を先に確認したい方は、車検の検査内容・期間・費用と法定点検との違いも参考にしてください。

失礼にならない依頼から断りまでの伝え方

見積もりを予約するとき

「車検満了日は○月○日です。比較検討中なので、車検に必要な整備と予防整備を分けて見積もっていただけますか」と伝えます。車検証、過去の点検整備記録簿、気になる症状も用意すると、条件をそろえやすくなります。

見積内容で分からない項目を聞くとき

「この部品交換は今回の車検に通すため必須ですか、それとも今後を考えた予防整備ですか」「追加作業が必要な場合は、作業前に連絡をいただけますか」と確認します。疑問を残したまま価格交渉へ進むより、整備の必要性を確認する方が納得できる判断につながります。

他社へ依頼すると決めたとき

「見積もりありがとうございました。検討した結果、今回は別のお店へ依頼することにしました」と、電話や指定された連絡方法で伝えます。理由を細かく説明する必要はありません。期限内に一言返すことが、いちばん大切なマナーです。

見積もり後に追加費用が出ることはある

外から確認できない部分は、分解や詳しい点検をして初めて不具合が分かる場合があります。そのため、見積もり後に追加整備の提案が出ることはあります。

国土交通省が示す自動車整備事業者の遵守事項では、見積金額の変更を伴う追加整備が新たに見つかった場合、あらかじめ了解がある場合を除き、追加内容と変更後の概算見積もりを連絡し、承諾を得てから作業することとされています。依頼時に「追加整備は、内容と金額の連絡を受けてから判断します」と伝えておくと安心です。

注意
安い見積もりを選んでも、車検不適合箇所があれば整備は必要です。たとえばフロントガラスや前席側面ガラスは、フィルムや汚れを含む状態で可視光線透過率を確認します。詳しくは車検のガラス透過率の記事をご覧ください。

車検の相見積もりでよくある質問

車検の見積もりは何社が目安ですか?
2〜3社なら内容の違いを比較しやすく、予約や持ち込みの負担も増えすぎません。ただし、これは実務上の目安であり、法令上の基準ではありません。
見積もりだけ頼んでも大丈夫ですか?
見積もりだけ受け付けている店舗は多くありますが、無料か有料か、必要書類、所要時間は店舗ごとに異なります。予約時に確認してください。
他社の見積書を見せてもよいですか?
作業項目の違いを確認するために見せることはできます。ただし、店名や個人情報の扱いに配慮し、単に値下げを迫る材料にはせず、「この項目が違う理由を教えてください」と相談しましょう。

まとめ|相見積もりより連絡と比較条件が大切

車検の相見積もりは失礼ではありません。比較中であることを最初に伝える、同じ点検・整備範囲で比べる、依頼しないお店にも期限内に返事をする。この3点を守れば、整備工場との関係を損なわずに納得できる依頼先を選べます。

三咲モータースでは、見積もり時に整備内容を説明し、追加整備が必要な場合も連絡・了承後に作業します。料金目安や車検の進め方は、三咲モータースの車検・点検ページでご確認ください。

こんにちは!メカラブ編集部です!現役整備士として現場で整備に携わっていて、そこで培った経験や実際のお客さんとのやり取りなどを通して、記事に落とし込んでいます。現場目線のリアルな生きた情報を届けることをモットーに記事を書いているので、自動車大好きな方はぜひご参考にしてください!