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エンジンオイルのベースオイルの種類|鉱物油や化学合成油の違いを解説

エンジン

エンジンオイルのスペックを見る上で気になるベースオイル。そもそもエンジンオイルは添加剤が約2割、ベースオイルが約8割で構成されている。このベースオイルにどんなオイルが使われているかによって性能が良い、普通が決まってきます。ちなみに市販されているオイルで性能が”悪い”オイルというものはありません。どのオイルも一定の品質が保たれており市販されているわけで、クルマによって相性があるので一概に良い悪いが言えないのがオイルの難しいところ。 ということで、この記事ではその性能を左右しているベースオイルについての解説です。

エンジンオイルは8割がベースオイル

ベースオイルとは読んで字のごとく、エンジンオイルを構成しているベースとなるオイルのことを指します。

エンジンオイルを構成しているのは8割がベースオイルで、そのほかは添加剤や防錆剤といったオイル品質を安定させる物質が配合されています。そのため、ベースオイルと呼ばれているわけです。

つまり、エンジンオイルの性能差はこのベースオイルの違いによって決まってきます。このベースオイルにもそれぞれグレードが存在し、API(アメリカ石油協会)が定める分類によってその性能が決まってきます。

ベースオイルの分類分け

APIによって5段階のグループ分けがされています。グループ1が最も性能が低く、グループ5が最も品質が高いオイルとなっています。

グループ1鉱物油
グループ2鉱物油/部分合成油
グループ3合成油(VHVI)
グループ4化学合成油(PAO)
グループ5化学合成油(エステル)

グループ1~3は鉱物油と呼ばれる原油を精製したベースオイルのグループで4以上からは化学合成油と呼ばれる人工的にオイル性能を上げたオイルが使われている。一般的にグループ5が高級オイルと呼ばれるランクになってきます。

エステルとかPAOとか書いていますが、これはベースオイルに配合される物質になりこれによっても性能は変わってくるのですが、現状ではエステルが一番良いとだけ覚えておきましょう。

ベースオイルの種類

先述したグループ分けで出てきた鉱物油や合成油といったもの。これについて解説をしていきます。ベースオイルは大別すると3種類に分けることができます。

鉱物油最も安価なオイル。性能は低い
部分合成油鉱物油と化学合成油を混ぜたもの。部分合成油でも製品によっては性能差がある。
化学合成油製造コストは高いが性能も安定している。整備工場で取り扱っているエンジンオイルは基本的に化学合成油になる。

ちなみに合成油という言葉ですが、こちらはオイルの元となる原油を人工的に加工なりして作ったオイルになります。原料は原油ですが、他の石油成分も使用して製造しているため性能を高めることが可能です。

鉱物油

オイルの元となる原油から蒸留、精製されたものを鉱物油。不純物を取り除いて作れられたオイルとなっており、流通しているエンジンオイルで比較的安いものはこちらの部類になる。 エンジンオイルとして最低限の性能を持ちながらも、デメリットとして酸化のしやすさが挙げられます。外気やエンジンの熱などの劣化が著しいため、頻繁にオイル交換を行う必要があります。

部分合成油

鉱物油と合成油を混ぜたオイル。鉱物油よりも性能は良いが、化学合成油よりも性能面でやや劣るといったもの。しかし、規定がしっかりと決められていないため、鉱物油に1%でも化学合成油を含めれば部分合成油と言えるので、部分合成だから良いという判断ができない。

化学合成油

原油に複雑な処理を施したオイル。高温に耐えられ、摩擦抵抗が少ないため、エンジンにとっても非常に優しい。高級オイルともなればエステルといった100%合成油と呼ばれるもので販売がされている。とはいえ、市販されているものでもそれなりであれば化学合成油が使われていることが多いです。

ベースオイルで判断するオイル選び

エンジンオイルを選ぶ際に、成分表などを見る方も少なくないと思います。ベースオイルをエンジンオイル選びの基準の1つとしてみるとした際、どのように判断すればいいのかを解説します。

安く済ませたい場合は”鉱物油”

性能面よりも値段で選ぶ場合は鉱物油一択です。先述したように性能面で劣る部分はあるものの、市販されている以上、使っても問題ない商品がほとんどでしょう。

デメリットとしては「頻繁にオイル交換をすること」「車によっては合わないものもある」という2点を念頭に入れておきましょう。

劣化が激しい分、オイル交換は3,000~5,000㎞毎、もしくは半年に1度のペースで行うことを推奨します。

車種によっては、オイルが合わない場合もあるため異音や燃費悪化といった症状が出る可能性も考えられます。その場合はよりグレードの高いオイルに交換するようにしてください。特に過走行車や年式が古い車には要注意です。

安心して使うなら”化学合成油”

上記のようなデメリットが心配な方は、迷わずに化学合成油のエンジンオイルを選びましょう。ホームセンターやAmazonでも気軽に購入はできます。値段もものによっては、安価なものも販売されています。

コスパで選ぶならカストロール、とにかくいいものならワコーズが安心です。

関連記事:【基礎知識】エンジンオイルの選び方・交換時期の解説

ベースオイルの鉱物油と化学合成油の違いまとめ

ベースオイルはエンジンオイルの性能を決定つける要素になります。

ベースオイルを意識すると、なぜこのオイルは高いのか?なぜこんなに安いオイルがあるのか?などがわかるようになります。性能面にも影響してくるので、ぜひ参考にしてみてください。

この記事を書いた人

こんにちは!メカラブ編集部です!現役整備士として現場で整備に携わっていて、そこで培った経験や実際のお客さんとのやり取りなどを通して、記事に落とし込んでいます。現場目線のリアルな生きた情報を届けることをモットーに記事を書いているので、自動車大好きな方はぜひご参考にしてください!

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