エンジンの異音の種類を原因・修理費用別で解説!自分でできるメンテナンス方法を伝授

エンジン

突然、エンジンから異音がしてきたら心配になると思います。クルマが止まってしまわないか?爆発しないかなど不安が大きいと思います。この記事では、現在エンジンから異音がなっている人向けに異音の原因や可能な限り自分でできる対策方法や異音を直す際の目安となる修理方法を解説しています。エンジンからの異音にお困りの方はぜひ参考にしてみてください。

エンジンからの異音の種類

エンジンの異音は色々な種類があって特定はひとえに特定は難しいです。この音だから確実にココが悪い!ということはないですが、おおよそ検討をつけることは可能です。

ここからは異音の種類別に見た原因と対策、修理費用を解説していきます。

キュルキュル音はベルトが原因

エンジンが掛かっている状態で常にキュルキュルと音が鳴っている場合はファンベルトの劣化が考えられます。最もよく鳴る異音の一つでしょう。走行中にキュルキュルと音を鳴らして走る軽自動車を見掛けたことがあると思います。ワゴンRなどのK6A系のエンジンではよくファンベルトの鳴きが起こります。

対策方法としては、軽度の場合は鳴き止め用のスプレーをベルトやプーリーに掛けてみましょう。それでもダメな場合、もしくはまたすぐに音が鳴ってしまう場合はベルトを交換しましょう。車種によって簡単なケースもあり自分でできるかもしれませんが、補器類のベルトは整備ミスするとより故障の原因となるので、整備工場へ持ち込むようにしてください。

ファンベルト交換の修理費費用

合計6,000円~
部品代3,000円~
工賃3,000円~

ファンベルトの劣化は放っておくとベルトが切れることもあります。パワステが効かずにハンドルが重くなったり、バッテリー上がり、エアコンが効かないといった不具合に繋がります。

ガラガラ・ウォーン系の音はベアリング系の損傷が原因

アイドリングからエンジン回転の上昇に合わせてガラガラ、ウォーン、ゴロゴロのような音が変化する場合はオルタネータやコンプレッサー、ウォーターポンプといった補器類の可能性が考えられます。またエアコンONとOFF時で音が変わるのであれば、エアコンのコンプレッサーが原因と断定することができます。

絶えずエンジンとともに回り続けているので、走行距離に伴って劣化してしまいます。これらは消耗品と割り切るようにしましょう。前提として壊れない部品は存在しません。

最悪の場合、バッテリー上がりやエアコンが効かなくなったり、オーバーヒートなどにつながる可能性があります。

ウォーターポンプの修理費用

合計50,000円~
部品代30,000円~
工賃20,000円~

ウォーターポンプが故障すると冷却水漏れや循環不良によりオーバーヒートの原因となります。エンジンルームから甘い匂いなどがしてきたら疑った方が良いでしょう。また、ウォーターポンプ交換時はタイミングベルトやテンショナなどの部品も同時交換推奨です。そのためやや高額修理となるケースもあり得ます。

コンプレッサーの修理費用

合計50,000円~
部品代30,000円~
工賃20,000円~

エアコンのコンプレッサーが故障することで清浄にエアコンが効かずに夏はしんどい思いをします。エアコンのON、OFFで判断することができるので原因特定としては非常に簡単です。

部品自体、安いものではありませんが、エアコンが効かないのは死活問題です。暖房は関係がないのでいいのですがクーラーを使う夏は注意が必要です。

オルタネーターの修理費用

合計50,000円~
部品代30,000円~
工賃20,000円~

オルタネーターのプーリーのベアリングや内部の不具合も良く起こる現象です。オルタネーターはダイナモとも呼ばれ電気を生成する部品になります。オルタネーターのおかげで走行中にバッテリーが充電され、そのほか電気部品が使えるようになっています。

カリカリ・キンキン系の甲高い音はオーバーヒートの前兆

走行中問わず、キンキンやカリカリといった甲高い音が鳴っている場合はエンジン内部の焼き付き、オーバーヒートの前兆となります。エンジンオイルの油膜が切れて、金属同士が擦れ合う音で、最悪エンジンが止まる危険性があります。

日ごろからエンジンオイルの量の確認、冷却水の量の確認をしておくことで未然に防ぐことが可能です。もし、該当の音が聞こえたらオイル交換や冷却水交換、または補充などを試みましょう。その後、漏れや無くなった原因を特定するため工場への入庫をおすすめします。

カラカラ・カタカタ・ゴロゴロ

カラカラやカタカタ、ゴロゴロなどもオーバーヒートの前兆としてよく鳴る異音です。こちらの重めの音は判断が難しいですが、ほぼほぼエンジン本体の不良であることがほとんどです。エンジンが止まっていないだけマシですが、重症なケースがほとんどなので、修理費用として10万円を超すケースが多いです。

対策としてはこちらもオイル量、冷却水の量の確認、交換や補充です。そもそもオーバーヒート自体の原因がオイル不良や冷却水不良から来るものです。原因である漏れなどを探す必要があります。

バスンバスン

アイドリング問わず、バスンバスンとエンジンの振動と共に異音が出るケースは点火系不良が多いです。1気筒だけ点火が悪く、全気筒バランスよく点火しない場合に鳴る音です。点火系であることはわかるのですが、プラグやイグニッションコイルなどどの部品が壊れているのかなど、特定するのは結構手間がかかる部分になります。

エンジンを掛けた状態で1気筒ずつプラグ、コイルと外して1つずつ点検していくことで、どの箇所か原因を探ることができます。一般の方には点検がやや難しいので知識がない方は控えたほうがいいです。

プラグ交換の費用

合計3,000円~
部品代1,000円~(1本あたり)
工賃2,000円~

プラグ交換自体、結構メジャーなDIY整備なのでご自分で整備された方は多いかと思います。ただ車種によっては難易度が一気に上がるものもあります。特にV型エンジンのプラグ交換は大変で、プラグにたどり着くまでに、その周りの部品も外していかなければなりません。

整備工場に頼む場合はその分の工賃も加算されるので比較的高額となるケースが多いです。

イグニッションコイル交換の費用

合計30,000円~
部品代10,000円~(1本あたり)
工賃20,000円~

プラグ交換が可能ならコイルの交換も用意です。プラグ同様に難しい整備になってくる場合もあるので工賃が跳ね上がるケースもあります。それにコイルを交換するなら一緒にプラグも交換しておけば安心なので同時交換は推奨しています。

エンジン以外の異音の種類

エンジン以外でも異音が鳴るケースは多様にあります。ここではよくあるエンジン以外の異音について解説をしていきます。

ブレーキ系統の異音「キーキー」

これも自動車によくある異音の種類です。ブレーキ時にキーキーと音が鳴る場合はブレーキパッドの消耗がほとんどです。ブレーキパッドは残量が規定内になってくるとあえて音を鳴らすように金属部品が付いています。この部品がブレーキローターにあたり音を鳴らすことで、使用者にパッドが摩耗したことを伝えます。

とはいえ、このような知識を知って乗っている方は少ないので、音が鳴ったと入庫される方は多いです。

駆動系の異音「ジャー・ゴー」

走行中に限定して音が鳴る場合は駆動系の不具合が考えられます。トランスミッションの不具合やデフ、プロペラシャフトといった部品の不具合です。

マニュアル車に限って言うと、特定のギアの時だけ異音が鳴ったり、クラッチをつなぐ前後で音が出るといったこともあります。

足廻り系の異音「コトコト・ゴトゴト・ギュッギュッ」

旋回時や段差を通った時に鳴る場合は足廻りの不具合が考えられます。足廻りの部品で言うと主にサスペンション関連です。サスペンションと一口で言ってもダンパーやスプリング、アッパーマウントといった様々な部品で構成されているので、どこかが劣化、損傷していると音の原因となります。

異音の箇所を特定する方法

異音が鳴っているけど、実際にどこから鳴っているのかわかりづらいケースがほとんどだと思います。一般の方には音の特定は難しいのですが、様々な条件で確認すると簡単に原因を特定することができます。一般の方でもある程度、特定をすることで、その後の修理費用の目算や整備工場に伝える際に故障診断の手がかりとなるので、余裕がある方はやってみましょう。

アイドリング時

アイドル中ですでに異音が鳴っている場合はエンジンルームからの異音と断定できます。エンジン本体か、補器類の異常なのかなどは、アクセルを踏んだり、エアコンを付けたりすることでより原因の特定が可能です。

まずはエンジンが掛かっている状態で常に鳴っているかを検証してください。また、ハイブリッド車など常にエンジンが掛かっていない場合にはメンテナンスモードというモードもあるのでそれに切り替えることで、停止中のアイドル状態が可能となっています。

関連記事:メンテナンスモード

停止中にアクセルON

アイドル状態で異音が確認出来たら、停止状態からアクセルを踏んで回転数を上げましょう。回転数の上昇に伴って、音が変化するようであれば、エンジン内部、エンジンに繋がっている各補器類であると判断できます。

実践ベースで解説すると、ここからファンベルトなどを一旦外して、エンジン掛けた状態で音が無くなるかを見ていきます。ファンベルトで繋がっている部品であるオルタネータやコンプレッサー、古い車両だとパワステポンプなどから異音が発生できると判断できます。

エアコンスイッチをON

先述のやり方と同様、エンジンを掛けた状態でエアコンONにして音が鳴ればコンプレッサーの異音だと判断できます。一番判断が簡単なので、この部位の確認は一般の方でもできますね。

走行中のみ音が鳴る場合

停車時に異音がせずに、走行中に音が鳴る場合もあります。この場合は足廻り、駆動系などが考えられます。走行中でも旋回時、加速時、ブレーキ開始時、高速走行時など様々なパターンを検証してどのパターンで音が鳴るのかを判断していきましょう。

関連記事:走行中 異音

まとめ

ここまで記事を読んでいただければ、エンジンからの異音の主な原因はオルタネータやコンプレッサー、ベルトであるとわかると思います。よくある事例としてこれら部品は異音の原因となっているケースがほとんどです。補器類の交換は5万円以上と決して安くはないですが、原因がはっきりしている分、修理は容易です。異音に気が付いたら、この記事で解説した故障探求の方法で原因を探ってみましょう。面倒くさい方は、そのまま整備工場に持ち込んでくださいね。

この記事を書いた人

こんにちは!メカラブ編集部です!現役整備士として現場で整備に携わっていて、そこで培った経験や実際のお客さんとのやり取りなどを通して、記事に落とし込んでいます。現場目線のリアルな生きた情報を届けることをモットーに記事を書いているので、自動車大好きな方はぜひご参考にしてください!

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