エンジンオイルを見るとそれぞれ粘度と表して0W-20や5W-30などといった数字を見かけます。
着目すべきは後半の数字で、これがオイルの粘度の表しています。0W-20であれば”20″が粘度です。この数値が上がっていくほど、硬いオイルということになります。これはSAE規格といい粘度を表す表記になっています。
この記事ではエンジンオイルの粘度の見方に始まり、粘度ごとの特徴、選び方を解説しています。
エンジンオイルの粘度の見方
粘度に関わる表記として「シングルグレード」「マルチグレード」の2つがあります。
シングルグレード
シングルグレードはSAE20やSAE30のように表示され、数値が高くなるほど高粘度になります。
※粘度の画像
ひと昔まえまでは、このシングルグレードが一般的でしたが、夏場はSAE50のオイルに交換し、冬場はSAE20のオイルに交換するなど今よりも、オイル交換の手間が多かったのが特徴です。
高粘度であるほど、冬場の低外気温時の始動性が悪いことから冬は柔らかいオイルに変える必要がありました。
現在では技術の進歩により冬場にも対応したオイルが誕生します。それがマルチグレードオイルです。
SAE規格
SAE(シー)規格とはアメリカ自動車協会が設定した規格でオイル粘度を表す規格となっています。
シングル、マルチ問わず粘度はSAE規格が基準となっています。
マルチグレード
0W-20や5W-30のように一般的によく見る表記がこのマルチグレード。
冬場の始動性担保のためにこのマルチグレードが主流となっています。0W-20の表記についているWの意味はWinter(冬)の意味で冬場の低温時にも対応するという意味なります。
0W=-35℃
5W=-30℃
10W=-25℃
15W=-20℃
20W=-15℃
外気温がマイナスにも対応したオイルという意味があります。
日本であれば-15℃の環境になることは滅多にないため、Wの数字はほとんど気にする必要がないということになります。
後半の数字は先述のシングルグレードがベースとなっており、SAE30等は粘度を表しています。
0Wは低温側、20は高温側というわけではない
「0Wは低温側で20は高温側なんだぜ(ドヤァ)」といった勘違いをされている方をたまにお見掛けしますが、これは間違えで、先述した通り、20の数値は決して高温側を現した数値ではないことは覚えておきましょう。
粘度の違いによるオイルの特徴
粘度の違いによる差は一体なんなのか気になるところです。
粘度が高くなるメリットとしては「気密性が高くなる」ことにあります。気密性が高まることでエンジン内の圧力を保つことができるので効率よくエンジンパワーを高めることができます。
各粘度による特徴を下記から解説していきます。
低粘度オイルの特徴
低粘度オイルは0W-16や0W-20などが低粘度オイルに該当します。よく言われる表現でサラダオイルみたいにサラサラという表現が使われます。実際0W-20のオイルでもそこまでサラサラな印象は無いのですが、確かに柔らかいなぁという印象を受けます。
0W-20など低粘度オイルだとオイルが柔らかい分、エンジン内の抵抗が少なくなるため、燃費を向上させると言われています。
とはいえ、劇的に変わるかと言われたら誤差程度。というか変わってないのでは?と思ってしまうのが正直な感想です。個人的にはSAE30くらいのオイルが妥当なのかなと思います。
高粘度オイルの特徴
高粘度オイルはSAE50やSAE60が該当します。
高粘度オイルは先述したように気密性が高まりエンジン性能も比較的上がりやすいです。ですが、SAE50やSAE60といったオイルは非常に硬いため、ある程度高温にならないと、ただ抵抗になるだけで街乗りには適していません。
サーキット過などのスポーツ走行時には高粘度オイルは必須です。常にエンジンに負荷を与える走行時では、オイルがより軟化します。その時にSAE20など低粘度を入れていると、それこそサラダオイルのようにサラサラなオイルとなり、これでは気密性どころの話ではありません。ただの水同然のオイルになります。
高粘度オイルはこのように、高負荷を与える車に適したオイルとなっています。サーキットに行かれる方などは、ちゃんとこのオイルに交換をしておきましょう。
ちょうどよい粘度は30~40
私が思うちょうど良い粘度のオイルはSAE30~40のオイルです。街乗りレベルであれば5W-30のオイルを入れておけば特に問題はありません。
10万キロを超える車や、営業車など高速道路をよく使う場合などは10W-40などの少し固めのオイルを入れておくと、エンジンにとって良い状態を保つことができます。
エンジンオイルの粘度まとめ
意外とわかっていない方が多いオイル粘度に関する内容を解説しました。基本的に粘度でオイルを選ぶ際には30~40くらいの粘度のものを選んでおけば問題はありません。状況に合わせてオイルを換えていきましょう。