自家用の特種用途自動車として登録された8ナンバーは、原則として初回から2年ごとです。自家用乗用車にある初回3年の対象ではないため、新車でも車検証の有効期間を確認して予定を立てます。
有効期間は分類番号だけで決まらず、用途、乗車定員、貸渡用かどうか、車両総重量で異なります。乗車定員11人以上や貸渡自動車では同じ8ナンバーでも周期が変わるため、車検証と国土交通省の有効期間表を確認してください。
この記事では、国土交通省が公表している有効期間の表をもとに周期を確定させ、そのうえで8ナンバーになる条件、キャンピング車の構造要件、自動車税と高速道路料金の実際を整理します。
自家用8ナンバーの車検は原則初回から2年ごと

国土交通省の自動車検査登録総合ポータルサイトは、車検証の有効期間を車種の分類ごとに公表しています。特種用途自動車はここで「その他の自動車」のうち「その他(大型特殊・特種自動車)」に入り、初回2年、2回目以降も2年です。
| 分類 | 初回 | 2回目以降 |
|---|---|---|
| その他(大型特殊・特種自動車) | 2年 | 2年 |
| 自家用乗用自動車・二輪自動車 | 3年 | 2年 |
| 車両総重量8トン未満の貨物自動車 | 2年 | 1年 |
| 乗車定員11人以上の自動車(バス) | 1年 | 1年 |
| 貸渡自動車(レンタカー) | 2年 | 1年 |
国土交通省 自動車検査登録総合ポータルサイト「自動車検査証の有効期間」から抜粋
初回3年が付かないのは「自家用乗用自動車」ではないから
初回3年の根拠は道路運送車両法第61条の第2項第二号です。ここで3年が与えられるのは自家用乗用自動車と二輪の小型自動車に限られています。
自家用の特種用途自動車は、自家用乗用自動車とは別の区分です。そのため初回3年の対象には含まれず、車検証の用途・定員・貸渡用かどうかに応じた有効期間を確認します。キャンピング車でも乗車定員11人以上や貸渡用の場合は表の例外に従います。
同じ8ナンバーでも毎年車検になる場合がある
有効期間は車体に書かれた番号ではなく、用途と定員と重量で決まります。8ナンバーであっても次に当たる車は周期が変わります。
| 条件 | 初回 | 2回目以降 |
|---|---|---|
| 乗車定員11人以上(マイクロバスを架装した車など) | 1年 | 1年 |
| 貸渡自動車(レンタルのキャンピングカーなど) | 2年 | 1年 |
| 上記以外の自家用の特種用途自動車 | 2年 | 2年 |
道路運送車両法施行規則第37条が定める「国土交通省令で定める自家用自動車」の区分による
8ナンバーになるのは特種用途自動車と認められた車

8ナンバーは、国土交通省の自動車の用途等の区分について(依命通達)で特種用途自動車等と判定された車に付きます。同通達の4-1は、主たる使用目的が特種である自動車のうち、次の3つのいずれかに該当するものを挙げています。
3つのグループに分かれている
| グループ | 内容 | 車体の形状の例 |
|---|---|---|
| 4-1-1 | 道路交通法施行令第13条により指定・届出された緊急自動車 | 救急車、消防車、警察車、護送車、血液輸送車 |
| 4-1-2 | 法令等で特定される事業を遂行するための自動車 | 給水車、採血車、図書館車、郵便車、教習車、霊柩車 |
| 4-1-3 | 特種な目的に専ら使用するための自動車 | タンク車、現金輸送車、車いす移動車、レッカー車、高所作業車、キャンピング車、放送宣伝車 |
自動車の用途等の区分について(依命通達)4-1-1から4-1-3の車体の形状から抜粋
面積の条件は2つある
キャンピング車などが入る4-1-3では、車体の形状ごとの構造要件に加えて、面積の条件が2つ付きます。
| 条件 | 基準(かっこ内は軽自動車) |
|---|---|
| 特種な設備の占有する面積 | 乗車設備と物品積載設備を最大に利用した状態で1平方メートル以上(0.6平方メートル以上) |
| 占有面積の割合 | 運転者席を除く客室の床面積、物品積載設備の床面積、特種な設備の占有する面積の合計の2分の1を超えること |
自動車の用途等の区分について(依命通達)4-1-3の②および③
座席や荷室より特種な設備のほうが広いことが求められるため、後ろに少し装備を積んだだけでは8ナンバーになりません。乗用車から変更する場合は、この面積要件を満たす架装をしたうえで構造等変更検査を受けることになります。
キャンピング車の構造要件は数値で決まっている

キャンピング車は、国土交通省が公表している車体の形状ごとの構造要件で「車室内に居住してキャンプをすることを目的とした自動車」と定義され、就寝設備と水道設備、炊事設備の寸法まで定められています。これは登録・構造等変更時に確認する要件です。設備の取外しや改造を検討する場合は、運輸支局または認証整備事業者へ事前に確認してください。
就寝設備
| 項目 | 基準 |
|---|---|
| 数 | 乗車定員の3分の1以上(端数は切り上げ。乗車定員3人以下の車は2人以上)の大人用就寝設備 |
| 大人用の寸法 | 1人につき長さ1.8メートル以上、幅0.5メートル以上の連続した平面 |
| 上方の空間 | 就寝部位の上面から0.5メートル以上。短辺から長手方向に0.9メートルまでの範囲は0.3メートル以上でよい |
| 子供用の寸法 | 長さ1.5メートル以上、幅0.4メートル以上、上方0.4メートル以上(同0.8メートルまでの範囲) |
| 座席との兼用 | 原則として兼用不可。座面と背あてが就寝設備になる前提で作られ、展開時に上面全体が連続した平面になる場合のみ可 |
大人用就寝設備を2人分以上持っている場合は、子供用2人分を大人用1人分と見なすことができます。
水道設備と炊事設備
| 設備 | 基準 |
|---|---|
| 水道設備 | 10リットル以上の水を貯蔵できるタンクと洗面台等があり、タンクから供給できること。10リットル以上の排水タンクも備えること |
| 炊事設備 | 調理に使う場所が0.3メートル×0.2メートル以上の平面で、コンロ等により炊事が行えること |
| 使用できる位置 | 洗面台等・調理台等に正対して使え、間に他の設備がなく、床面から上方に有効高さ1,600ミリメートル以上の空間があること |
| 投影面積 | 洗面台等と調理台・コンロ等、それらを利用する場所の床面への投影面積が0.5平方メートル以上 |
用途区分通達4-1-3(4)の自動車の構造要件から抜粋
自動車税はキャンピングカーだと乗用車の8割

8ナンバーの自動車税種別割は、車体の形状ごとに別の税率表が用意されています。キャンピングカーについては、東京都主税局が専用の税率表を公開しています。自家用乗用車の税率と並べると次のようになります。
| 総排気量 | キャンピングカー | 自家用乗用車 |
|---|---|---|
| 1リットル超1.5リットル以下 | 24,400円 | 30,500円 |
| 1.5リットル超2リットル以下 | 28,800円 | 36,000円 |
| 2リットル超2.5リットル以下 | 34,800円 | 43,500円 |
| 2.5リットル超3リットル以下 | 40,000円 | 50,000円 |
| 3リットル超3.5リットル以下 | 45,600円 | 57,000円 |
東京都主税局の税率表(標準税率・年額)から抜粋。自家用乗用車は令和元年10月1日以後に初回新規登録を受けた車の税率
表に示した東京都の標準税率と排気量帯では、キャンピングカーの税額は自家用乗用車の8割です。グリーン化特例、登録時期、地域、キャンピング車以外の特種用途自動車では税額が変わるため、車検証の用途・車体の形状・総排気量を管轄の税率表で確認してください。
税率は都道府県ごとに定められています。自分の車の金額は、車検証の用途と車体の形状、総排気量を手元に置いて、管轄の県税事務所の税率表で確認してください。
高速道路の料金は8ナンバーかどうかでは決まらない

高速道路の料金区分は8ナンバーだけで一律に決まりません。料金会社が定める車種区分と、車検証の車両区分・規格によって判定されます。
NEXCO東日本が公表している高速道路の車種区分では、普通車は小型自動車と普通乗用自動車、中型車は車両総重量8トン未満かつ最大積載量5トン未満で3車軸以下の普通貨物自動車や、乗車定員11人以上29人以下で車両総重量8トン未満のマイクロバスとされています。判定に使われるのは車両の種類と規格、乗用か貨物かといった要素です。
同ページには、特種用途自動車(8ナンバー)など車種判別の難しい車両もあることから、場合によっては車検証の提示をお願いすることがあると書かれています。料金所では車種区分を証明する「高速道路車種区分証明書」も発行されています。
高速道路を利用する前に、料金会社の車種区分案内と車検証を照合してください。判定に迷う場合は、料金会社または料金所へ確認します。
関連記事:4ナンバーの車検は毎年?初回2年の根拠と3ナンバーとの税額差を解説
8ナンバーの車検に関するよくある質問

まとめ。周期は番号ではなく用途と定員と重量で決まる

自家用の特種用途自動車は原則として初回から2年ごとです。ただし乗車定員11人以上や貸渡自動車は例外となるため、分類番号だけで判断せず車検証と有効期間表を確認してください。
キャンピング車など、用途区分通達4-1-3の特種な目的用自動車では、特種な設備の占有面積が1平方メートル以上で、かつ所定の面積割合を満たすことが求められます。キャンピング車はさらに、就寝設備、水道・炊事設備の構造要件を満たす必要があります。緊急車や法令等で特定される事業用の特種用途自動車には、別の要件があります。
東京都の表に示した標準税率では、キャンピングカーは同じ排気量帯の自家用乗用車の8割です。高速道路の料金区分は8ナンバーだけでは決まりません。まず車検証の用途、乗車定員、車両総重量、車体の形状を確認し、管轄の税率表と料金会社の案内へ当てはめてください。




