4ナンバーの一般的な小型貨物車で車両総重量8トン未満のものは、初回車検が2年、以後は1年です。道路運送車両法第61条は、貨物の運送の用に供する自動車の有効期間を原則1年とし、車両総重量8トン未満の貨物自動車が初めて車検証の交付を受ける場合に2年の例外を置いています。
ナンバープレートの数字だけで有効期間を決めず、車検証にある用途、車両総重量、初回か継続かを確認します。軽貨物は検査対象軽自動車の区分のため、同じ貨物でも有効期間の扱いが異なります。
この記事では、車検周期の根拠になっている条文と、4ナンバーになる条件、そして3ナンバーと比べたときに実際いくら差が付くのかを、税率表の数字で整理します。
4ナンバーの車検は初回だけ2年、2回目以降は毎年

車検周期は、車検証の用途と車両総重量、初回か継続かで確認します。中古車は初回車検を終えている場合もあるため、購入時の説明だけで判断せず、車検証の「有効期間の満了する日」を確認してください。
根拠は道路運送車両法第61条
車検証の有効期間は、車種ごとに道路運送車両法第61条で定められています。第1項は、貨物の運送の用に供する自動車で検査対象軽自動車以外のものは1年、その他の自動車は2年としています。
そのうえで第2項第一号が、1年とされる自動車のうち車両総重量8トン未満の貨物自動車について、初めて車検証の交付を受ける場合の有効期間を2年としています。4ナンバーの小型貨物車はここに当てはまるため、初回だけ2年になります。
同じ第2項の第二号では、自家用乗用自動車の初回を3年としています。3ナンバーや5ナンバーの乗用車が「初回3年、以降2年」なのはこの規定によるものです。
| 車種 | 初回 | 2回目以降 | 条文 |
|---|---|---|---|
| 4ナンバー(小型貨物・総重量8トン未満) | 2年 | 1年 | 第61条第1項、第2項第一号 |
| 1ナンバー(普通貨物・総重量8トン以上) | 1年 | 1年 | 第61条第1項 |
| 3ナンバー・5ナンバー(自家用乗用) | 3年 | 2年 | 第61条第1項、第2項第二号 |
| 軽貨物(検査対象軽自動車) | 2年 | 2年 | 第61条第1項 |
道路運送車両法第61条の区分(総重量8トン未満の貨物自動車は初回のみ2年)
同じ貨物でも軽貨物は2年ごと
第61条第1項が1年としているのは「検査対象軽自動車以外のもの」です。軽の貨物車は検査対象軽自動車に当たるため、この1年の対象から外れ、その他の自動車として2年になります。初回に2年を与える第2項第一号も「1年とされる自動車のうち」が条件なので、軽貨物には掛かりません。
4ナンバーの用途区分は荷室と乗車設備の構造で確認する

4ナンバーは、小型自動車の寸法・排気量の区分と、貨物自動車等の構造要件を満たす車に付く分類です。貨物の床面積と積載可能重量が乗車設備側より大きいこと、積卸口、隔壁などを確認します。座席数だけで判定するものではありませんが、乗車設備の面積と乗車人員の重量は基準に含まれます。
小型自動車のサイズと排気量
道路運送車両法施行規則の別表第一は、小型自動車を長さ4.70メートル以下、幅1.70メートル以下、高さ2.00メートル以下と定めています。内燃機関を原動機とする自動車は総排気量2.00リットル以下という条件も付きますが、軽油を燃料とする自動車と天然ガスのみを燃料とする自動車は排気量の制限から除かれています。
ディーゼルの小型トラックに2.0リットルを超える排気量の車があるのは、この除外規定によるものです。ガソリン車は2.0リットルを超えると小型自動車の枠から外れ、普通貨物の1ナンバーになります。
貨物自動車と判定される4つの構造要件
用途の区分は、国土交通省の自動車の用途等の区分について(依命通達)で決まります。同通達の3-1と3-1-1は、貨物自動車等の条件を次のように定めています。
| 要件 | 基準(かっこ内は軽自動車) |
|---|---|
| 物品積載設備の床面積 | 最大に利用した場合に1平方メートル以上(0.6平方メートル以上) |
| 荷室と座席の床面積 | 乗車設備を最大に利用しても、残る物品積載設備の床面積のほうが大きいこと |
| 積載量と乗車人員の重量 | 残る物品積載設備に積める貨物の重量が、乗車し得る人員の重量より大きいこと |
| 物品の積卸口 | 縦横それぞれ800ミリメートル以上、投影面積0.64平方メートル以上(縦600・横800ミリメートル、0.48平方メートル) |
| 隔壁・保護仕切 | 乗車設備と物品積載設備の間に備えること(最大積載量500キログラム以下で座席の背あてにより保護される構造などは除く) |
自動車の用途等の区分について(依命通達)3-1および3-1-1
基準は床面積、積載可能重量、積卸口、隔壁・保護仕切などを組み合わせて判定します。東京都主税局の税率表も、貨物車を乗車定員3人以下のトラックと4人以上の貨客兼用車に分けています。用途変更や改造を検討する場合は、車検証だけで判断せず、運輸支局または認証整備事業者へ事前に確認してください。
3ナンバーとの差がいちばん大きいのは自動車税種別割

維持費の差が最も分かりやすく出るのが、毎年5月に納める自動車税種別割です。乗用車は総排気量で、貨物車は最大積載量で税額が決まるため、同じ車格でも金額の桁が変わります。
東京都主税局の税率表から、自家用の年税額を並べると次のようになります。
| 用途 | 区分 | 自家用の年税額 |
|---|---|---|
| トラック(1または4ナンバー・乗車定員3人以下) | 最大積載量1トン以下 | 8,000円 |
| 同上 | 最大積載量1トン超2トン以下 | 11,500円 |
| 貨客兼用車(1または4ナンバー・乗車定員4人以上) | 最大積載量1トン以下・排気量1リットル超1.5リットル以下 | 14,300円 |
| 同上 | 最大積載量1トン以下・排気量1.5リットル超 | 16,000円 |
| 乗用車(3・5・7ナンバー) | 1リットル超1.5リットル以下 | 30,500円 |
| 同上 | 1.5リットル超2リットル以下 | 36,000円 |
東京都主税局の税率表から抜粋(自家用・グリーン化特例の適用を受けない場合。乗用車は令和元年10月1日以後に初回新規登録を受けた車の税率)
表の税額は東京都の例です。乗用車は排気量、貨物車は最大積載量に加え、貨客兼用車では乗車定員・排気量の区分も使われます。同じ排気量だけで乗用車と貨物車の税額を比較せず、車検証の用途、最大積載量、乗車定員を管轄の税率表へ当てはめてください。
重量税と自賠責は車検のたびに払うので回数が2倍になる

自動車税種別割が毎年課税なのに対して、自動車重量税と自賠責保険料は車検のときにまとめて納める費用です。財務省の資料でも、重量税の課税のタイミングは車検時とされています。
車検が1年ごとの貨物車は、重量税と自賠責を車検のたびに確認・納付します。2年ごとの乗用車より支払いと手続きの機会が増えるため、年単位ではなく、車検証の満了日から次回満了日までの費用として見積もりを比較してください。
重量税は車両総重量と経過年数で決まる
財務省の自動車重量税の概要によれば、税額は車検期間と重量の区分で決まり、13年超と18年超の経年車には異なる税率が適用されます。自家用乗用車の例では、13年未満が1年あたり0.5トンごとに4,100円、13年超は5,700円、18年超は6,300円です。
同資料の注記のとおり、トラックなど貨物車の税額は車種と車両重量によって別に定められています。自分の車の次回の重量税額は、国土交通省の次回自動車重量税額照会サービスに車台番号を入れると確認できます。見積書の金額が妥当かどうかは、この照会結果と突き合わせるのが確実です。
自賠責は車検の有効期間に合わせて契約する
自賠責保険は、車検証の有効期間を満たす保険期間で契約します。保険料と選べる期間は車種区分、保険始期、保険会社の商品条件で異なるため、車検証の満了日と保険証明書の終期を照合し、見積書で確認してください。
関連記事:10年以上の車は毎年車検?期間・13年超の注意点を整備士が解説
自賠責保険は補償内容と保険料が保険会社によらず同じですが、任意保険は保険会社によって保険料が変わります。車検で自賠責を更新する時期に、任意保険もあわせて見直す方法があります。インズウェブの自動車保険一括見積もりなら、複数社の見積もりを一度に取り寄せて比べられます(無料)。
4ナンバーを選ぶ前に確認する3つのこと

税額の差だけで決めると、使い方に合わないことがあります。確認する順番は次の3つです。
車検1回あたりにいくらかかるかが分からないと、3つ目の比較ができません。内訳から確かめる場合は次の記事が参考になります。
関連記事:車検費用の相場はいくら?内訳と安く抑えるコツを整備士が解説【2026年版】
4ナンバーの車検に関するよくある質問

まとめ。毎年なのは貨物登録だから。差は税額と回数に出る

4ナンバーの車検が初回2年・以降1年なのは、道路運送車両法第61条が貨物自動車の有効期間を1年と定め、総重量8トン未満の貨物自動車の初回だけを2年としているためです。同じ貨物でも軽貨物は検査対象軽自動車として2年ごとになります。
4ナンバーの用途区分は、小型自動車の寸法・排気量と、荷室の床面積、積載可能重量、積卸口、隔壁などの構造要件で確認します。乗車設備の面積と乗車人員の重量も判定要素のため、用途変更は事前確認が必要です。
費用は、自動車税種別割、重量税、自賠責、点検整備費を分けて比較します。まず車検証で用途、最大積載量、乗車定員、車両総重量、有効期間を確認し、管轄の税率表と重量税照会サービス、保険の見積書に当てはめてください。比較期間と条件をそろえることで、負担を数字で確認できます。




