車検に出すとき、車の中をどこまで空にすればいいのかは、検査をする側が公表している遵守事項に書かれています。そこには「荷台等に物品等が積載されていない状態」「座席、座席ベルト、非常信号用具及び消火器等が確認できる状態」と並んでいます。
降ろす物、確認できる状態にする物、外す必要がある場合がある機器を分けて準備します。非常信号用具は確認できる状態にし、データリンクコネクタに接続した機器はOBD検査の対象・実施条件に当てはまる場合に外します。
この記事では、自動車技術総合機構と軽自動車検査協会が公表している遵守事項をもとに、降ろすもの・残すもの・外すものを分けて整理します。
検査を受ける車の状態は公表されている

普通車の検査を担う独立行政法人自動車技術総合機構は、検査実施のための遵守事項として、受検車両を次の状態にすることを求めています。荷物に関わるのはこの4つです。
| 求められる状態 | 荷物との関係 |
|---|---|
| 荷台等に物品等が積載されていない状態 | 積んでいるものを降ろす |
| 座席、座席ベルト、非常信号用具及び消火器等が確認できる状態 | 座席まわりを隠さない。発炎筒は残して見えるようにする |
| 寸法及び重量を計測する場合にあっては、スペアタイヤ、予備部品、工具その他の携帯物品を取外した空車状態 | 計測がある場合は車載工具まで外す |
| OBD検査対象車にあっては、当該自動車のデータリンクコネクタには何も取付けられておらず、検査用スキャンツールを接続できる状態 | コネクタに挿した機器を外す |
自動車技術総合機構「検査実施のための遵守事項について」(令和6年10月)から、荷物に関係する項目を抜粋
軽自動車を担当する軽自動車検査協会も、受検に際して必要な指示事項として同じ内容を公表しています。同協会は、受検者がこの指示に従わなかった場合は受検車両の検査を行えないため検査を中断する、としています。
降ろすもの。積載物と、座席まわりを隠すもの

降ろす対象は2つに分かれます。荷台や荷室に積んでいるものと、座席や座席ベルトの確認を妨げるものです。
荷室と荷台のもの
遵守事項は「荷台等に物品等が積載されていない状態」と書いています。キャンプ用品やゴルフバッグ、季節外れのタイヤ、仕事の道具といった積載物は、入庫や受検の前に降ろしてください。
座席・座席ベルトを隠すもの
「座席、座席ベルトが確認できる状態」も条件です。後部座席に荷物を積んでいたり、シートカバーやクッションでベルトの取付部が見えなかったりすると、確認ができません。座面とベルトが見えるようにしておきます。
寸法と重量を計測する場合は車載工具まで
継続検査で寸法や重量の計測が入る場合は、スペアタイヤ、予備部品、工具その他の携帯物品を取外した空車状態が求められます。普段は積みっぱなしにしている車載工具やジャッキも、この場合は対象です。計測があるかどうかは検査の内容によるため、持ち込む前に依頼先か検査場へ確認してください。
残すもの。非常信号用具は降ろしてはいけない

車内を空にするつもりで、発炎筒まで一緒に降ろしてしまうことがあります。これは逆です。非常信号用具は備え付けが義務づけられています。
道路運送車両の保安基準第43条の2は、自動車には、非常時に灯光を発することにより他の交通に警告することができ、灯光の色、明るさ、備付け場所等に関し告示で定める基準に適合する非常信号用具を備えなければならないと定めています。二輪自動車や大型特殊自動車などは対象外です。
遵守事項でも「非常信号用具及び消火器等が確認できる状態」が求められています。備え付けてあるだけでなく、すぐ確認できる場所に置いておく必要があります。運転席の足元や助手席側のグローブボックスなど、もとの位置に戻しておいてください。
| もの | 扱い |
|---|---|
| 非常信号用具(発炎筒) | 残す。確認できる場所に置く |
| 消火器 | 備えている車は残す。確認できる状態にする |
| スペアタイヤ・車載工具 | 通常は残してよい。寸法・重量の計測がある場合は外す |
| 車検証・自賠責保険証明書 | 車内に置かず、手元でまとめて依頼先へ渡す |
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発炎筒の代わりに、車検対応のLED非常信号灯を積む方法もあります。エーモンの非常信号灯6904はその一例です。
エーモン 非常信号灯 6904(車検対応・発炎筒の代わりに)
外すもの。データリンクコネクタに付けた機器

2024年10月から、車検の項目に電子装置の検査(OBD検査)が加わりました。対象車は検査用スキャンツールを接続して確認するため、接続口をふさいでいる機器を外す必要があります。
遵守事項は「OBD検査対象車にあっては、当該自動車のデータリンクコネクタには何も取付けられておらず、検査用スキャンツールを接続できる状態」と書いています。国土交通省のOBD検査の案内でも、運転席下部などにある差し込み口に接続されている機器(ドライブレコーダー等)をあらかじめ外すよう求めています。
OBD検査の対象候補は、車検証の備考欄に「OBD検査対象」と記載された、令和3年10月1日(輸入車は令和4年10月1日)以降の新型車です。ただし、型式指定から2年または新規登録から10か月を経過していない車両などは検査対象外です。国土交通省の案内と車検証のOBD検査開始年月日で確認してください。
預けるか自分で持ち込むかで、やることが変わる

同じ「荷物を降ろす」でも、業者に預ける場合と自分で検査場へ持ち込む場合で、いつ誰がやるのかが変わります。
| 項目 | 業者へ預ける | 自分で検査場へ持ち込む |
|---|---|---|
| 積載物を降ろす | 入庫の前に済ませる | 受検の前に済ませる |
| データリンクコネクタ | 依頼先へ後付け機器の有無を伝える | 自分で外す |
| 貴重品 | 必ず自分で持ち出す | 手元に置く |
| 指示への対応 | 依頼先が対応する | 検査担当者の指示に従う |
業者に預ける場合は、財布やカードなどの貴重品を車内に残さず持ち出します。預ける書類や鍵は依頼先の案内に従って準備してください。
自分で持ち込む場合は、上の状態にしたうえで受検します。軽自動車検査協会の案内のとおり、指示に従わない場合は検査が中断されます。
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車検の荷物に関するよくある質問

まとめ。降ろす・残す・外すで分ける

車検の荷物は「どこまで許されるか」ではなく、検査をする側が公表している状態に合わせれば決まります。荷台等に物品等が積載されていない状態、座席と座席ベルトと非常信号用具が確認できる状態、この2つが基本です。
降ろすのは積載物と座席まわりを隠すもの。残すのは非常信号用具と、備えている場合の消火器。外すのはデータリンクコネクタに挿した機器です。寸法や重量の計測が入る場合は、スペアタイヤや車載工具も外します。
業者に預けるなら、貴重品は自分で持ち出し、渡すのは車検証と自賠責保険証明書と鍵だけにしてください。入庫の前に荷室を空にして、発炎筒がもとの場所にあるかを見る。この2つで当日の手戻りはなくなります。




